リカちゃんが家を飛び出して8日。
開け放しの玄関前には人間が寝静まった深夜や早朝には姿を見せますが、決して中には入ろうとしません。
脱走は今回が初めてではないので、捕獲器は警戒して入らず。
飼い主さんはリカちゃんが出て行ってしまってから毎日のように、「おいしいご飯が待ってるよ、帰っておいで。一緒にまた遊ぼう。」とどこかに身を潜めているであろうリカちゃんに向かって話しかけていました。
リカちゃんとコンタクトを取ると、飼い主さんが言われるように家の近くにいる様子が見えました。
お話をしてみると、「心と体が休まらない。」と教えてくれます。
同居猫さん(4匹で同居。別室にも猫さんがいます。)の様子を伺ったり、気遣いをしている様子が見えました。
リカちゃんは元々一人でいることを好む性格のようで、同居を窮屈に感じていたそうです。
気分転換と息抜きが必要だったので、隙を伺って逃げ出したのです。家出のチャンスを伺って過ごしているリカちゃんの様子も見えました。
リカちゃんのストレスは気疲れが大きな原因ですが、同じように体もとても疲れています。人間と同じで、心と体は繋がっています。
リカちゃんにはゆっくりのんびり過ごしたり、大好きな飼い主さんとと一対一での時間を作ることが必要だったのです。
気遣いと我慢していたことを受け止めて、「何でも言ってほしい、言ってくれることが私は嬉しいのよ。」と伝えること。
そして、これからはできる限り配慮することを約束するのと、今まで気遣いや気苦労をさせてごめんなさいという謝罪をすること。
ご飯や遊びで誘い出そうとするのではなく、たっぷりの愛情に包まれたいとリカちゃんが寄って来てくれるのを待つこと。
そして、「近くにいるので、姿が見えなくてもお話してあげて下さい。必ず聞いています。」と飼い主さんにお伝えしました。
以上を聞いてすぐに飼い主さんは心の中で伝え、家の外でも伝えているとなんと!リカちゃんがトコトコと歩いてきたそうです。
リカちゃんの後を追い想いを伝えると、「フ~ン」と言い立ち去りました。
飼い主さんはこのリカちゃんの行動で、また戻ってきてくれると思われたそうで追ったり摑まえたりはしませんでした。
リカちゃんを信じて待ったのです。
この二日後、リカちゃんはお家に戻って来てくれました。
飼い主さんとリカちゃんは心が再び結ばれたのです。
飼い主さんが動物の気持ちを知るということは、時にはショックを受けたり悲しい思いをすることもあります。
今回の飼い主さんもショックを受けられたかもしれませんが、ご自身のショックよりもリカちゃんの今までのストレスをしっかりと受け止め心から想いを伝えることで再び家族になれました。
リカちゃんを信じて待ったことと、想いにある愛をリカちゃんが受け止めて信じてくれたのだと思います。